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花嵐がくるよ again

読んだ本や、趣味の話を気ままに書きます(予定)

最近読んだ本の話

*小説のネタばれはないので、ご安心ください。

 

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿1&2 力士シールの謎」読みました。

表紙イラストと人が死なない、面白くて知恵のつくミステリというキャッチコピーからずっと気になっていたので、読めてよかったです。最初の2冊だけは上下巻になっていて、話が続いているので注意が必要。といっても上中下よりは全然、平気ですけどね。

 

キャッチコピーの通り、面白かったし、唸らされるトリックと展開でした。

文章も読みやすく、細かく章分けされているのでストレスフリーでページをめくれます。読むハードルが低いので、すぐやめて、すぐ続きを読める。本として、すぐれたデザインです。章立てが細かいのは、新書に多いタイプのスタイルですね。グッとくるシーンも複数ありました。

 

ただし、それがネックになっているところもあって、1巻で唐突に挿入される「未来」という章では、時間軸が未来へと移ります。これはプロローグに入れるべき話だと感じました。他にもあちこち、物語の構成が片手落ちになっている部分が見受けられ、残念です。ラストについても、エピローグが欲しい(でも書かれていない)終わり方。逆に言うと、プロでそれなりにヒットした作品でも、完璧というわけではないんだなーと、物語を考える趣味がある自分としては、ほっとした面もあります。でも率直に書いてしまえば、3巻以降を積極的に読む気にはなりませんでした。

 

 パオロ・マッツァリーノ『「昔はよかった」病』も読みました。 

 

こちらも面白くて、新書だと物足りなかったです。もっと読んでいたい。でも長すぎるとダレちゃう。そんな微妙なニュアンスです。データの合間にときどき入るブラックユーモアが、いいアクセントになってます。

 

昔は百貨店が先鋭的だったのが意外でした。日本で初めて商店街や消費者相談センターを置いた話は、ショッピングモール的な存在がまだまだ珍しかったからでしょうね。完成された現在、業態としては守りに入ってますし。

 

個人的には、製品なんかは新しければ新しいほどいい、と考えていて、昔はよかったと思うことはあまりなく、むしろ今から生まれ直したいくらいです。おぎゃあ。

 

ネイチャー&サイエンス 「世界のお墓」

 

とはいえ、どちらかといえば、こちらの方が身近な存在。いわゆる写真集。

美しい写真に見とれ、葬送という儀式の無駄さにしびれる(褒めてます)。

野生の世界では死者は餌になるので、葬儀なんて無駄なことを野生動物も植物もしません。知性ある生物だけが、こんな文化的な行為をする。そういう点でも、美しいです。

 

中でも鳥葬に使ったとされる、中東の砂丘にある「沈黙の塔」の葬場に胸を打たれました。何度見てもグッとくる、さびしくもカラッとした写真です。人類は死というものをどう受け止めてきたのか。その一端がのぞけます。